木工家になろうとする建築士

一級建築士が木工家となるために紆余曲折するお話。生活、仕事、建築、木工など。

ホームセンター

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大型のホームセンターは行くだけで結構楽しい。子供の時のワクワクはより一層で、自分は全く用事がないけれど、親の買い物に率先してついて行ったものだ。

駐車場に降り立ち、建物に向かうとちょっとしたジャングルが見えてくる。様々な草花が半屋外に広げられ、植木鉢、木製の柵が積み上げられ、薄暗くなっている。少年はもうテンション上がりまくりである。

店内に入ると、あの独特な匂いが漂ってくる。あれはなんの匂いなのか…いい匂いでは全くないが、嫌な匂いまでいかない微妙な加減がクセになる。非常に馴染み深い匂いだが、一度も調べようとしたことがないことに今さらながら気がついた。意外とそんな程度のものだが、ホームセンターの世界感には必要なエッセンスである。

日用品、スポーツ、資材など水平方向には各種コーナーが展開され、垂直方向に商品が所狭しと展開される。あの空間から万能感が滲み出していて、少年はまだ見ぬ何かに出会える気配に任せて店内を走り回った。

ガーデニングコーナーのジャングルも今や小さくなり商品タグの方が目立つようになった。あの万能感も文字通り万能ショップのamazonやrakutenの前では歯が立たない。でも、あの匂いは変わらずに少年心を思い出させてくれて、ポジティブな気持ちにしてくれる。そんなことをホームセンターでふと思った。

 

サイドテーブル7

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いよいよ部材の仮組み。天板と脚部はハンマーで叩き込み収まるよう、ヤスリで調整。試作品としては良いけれど、本番の納まりどうしようかな。

仮組みを一旦ばらし、仕上げる。サイドテーブルなので水気の心配もないため、木の手触りが残るオイルフィニッシュとした。まずは荒くやすりをかけて、オイルを塗り込む。乾燥させた後、400番と800番のヤスリで仕上げる。

そして、木口はアクセントとなるよう色付けする。今回は部屋のインテリア似合うようアイボリーとしたけど、原色系にした方がインパクトがあって良いかもしれない。G・T・リートフェルトやデステイルを意識するなら間違いなく原色だけどね。(G・T・リートフェルトやデステイルについては下記記事)

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仕上がった姿はこんな感じ。彫刻的で良い感じ。アクセントの木口もしっかり効いていて、構成をしっかり見せてくれる。懸念であったテーブルとしての安定性も問題なし。一部表面の剥がれがあるのは、レーザーカッターでの焼けを削るため生じた問題点だが、糸鋸などで加工することで改善されるだろう。

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ソファと合わせてみるとこんな感じ。天板はサイドテーブルとしては大きめだが、2人で使うとジャストなサイズで、カップ、ポット、菓子皿がちょうど良く収まる。また、1人で使うときには書き物したり、本を置いたりできる。アームレスト上に天板が来るため、設置場所の自由度が高くて良い感じ。

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連載としては一旦の区切りとなるが、改良を行なっていく様は引き続き記事にしていくつもりだ。

●皆様のご意見・ご感想頂けますと幸いです。

●連載のはじまり

otia.hatenablog.jp

 

サイドテーブル6

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まず材料を買いにホームセンターへ。

お目当ては構造用合板12mm厚である。構造用合板12mm厚は通常ラワン材という安価な素材で作られており、ラワンは赤茶な色味の材である。オイルを塗るとウエット感が出て色味が少し暗くなるので、落ち着いた感じの仕上がりになるとのこと。安価でも少し手をかければ良くなるのはよくある話。

しかし、ホームセンターに着くや問題発生。構造用合板はウッドショックの影響からかラワンではなくファルカタ材になっており、ラワン材はカット材しかないとのこと。ファルカタ材は色が白っぽい。まあしょうがないよねということで、オイルで色味調整することにした。

このホームセンターではカット材も3×6板も値段が変わらない(以前ラワン材同士で比較)。別途カットでも数十円なので、3×6板を購入しカットしてもらう。価格は36板一枚あたり1950円税込+カット代。

今回はデータを作成したこともあり、学生時代にも使ったことのあるレーザーカッターでカットすることにした。近場に良心的な金額で使えるファブスペースがあったので幸運だった。2時間3000円で利用できた。

レーザー加工の経過は省略するが、厚みが大きいこともあり意外と苦労した。お世話になったファブスペースのオーナーさんが一緒になって検討してくれ助かった。デジタルで加工するにしても、CNCルーターという木工用の切削機械があるので、本来はそっちでやるべきだよなあと後悔した。(レンタルで利用できるところあるのか?)

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左:レーザーカッター 右:CNCルーター(切削機)

さて、切断が完了してこんな感じ。レーザーカッターは熱で焼き切るので、断面は焦げてしまう。この部分はヤスリで削り取るのだが、何ともまあ大変で…。アナログに切った方が早かったのではと思いながら、黙々と削る。卓上の糸鋸が欲しいなあ。

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続く

●お世話になったファブスペースのリンク

ものづくりラボ | ロボット・プログラミング教室&FabSpace

●はじまり記事

otia.hatenablog.jp

サイドテーブル5

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投稿を少しサボってしまい、「継続は難しいね」と思うことで良しとしがちな自分が情けない今日この頃。12月ですがやっと紅葉という季節感。

さて、前回(下記事)の続きから。

 

otia.hatenablog.jp

 

900×600の平面に斜め、垂直、水平の3本の線を入れてみたのが、次の写真である。赤線で示したように立体化されるイメージである。

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プロポーションを確認するために、モデリングして調整する。実際このままでは、かっこよくないことは想像できる。

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やっぱりね。ということで、いくつかのパターンを検討し、天板を底板に比べて大きく、かつ天板がソファ側に大きく持ち出すことにした。シンプルながら彫刻的で、台形を逆さにした脚が軽快さを出しているように思う。木口を着彩するとその点がより強調されそうである。持ち出しは安定性を担保できる位置として決めたが、モックアップを作って確認する必要がある。モックアップとは実際のサイズで作る検討モデルのこと。

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問題は部材の接続方法で、脚部は互いに切り欠き、噛み合わせれば良さそうだが、天板と底板をどうするか。学生時代に作成した椅子の経験から、板厚より若干小さい穴を開け、ハンマーで板をコンコンと叩き入れれば十分に強度が出ることは知っていたので、モックアップはこの方法で作成することにした。誰でも容易にという点は引き続き検討となる。

図面化するとこんな感じ。いよいよ作り始める。

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続く

 

サイドテーブル4

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サブロク板(910mm×1820mm)の長手1820mmを三等分するとおおよそ600mmとなってくる。そこで900mm×600mmの板で1つのサイドテーブルを作ってはどうだろうかと考えた。端数は削りしろとなるだろう。

900×600の平面を見ていると、G・T・リートフェルトのZIG−ZAGチェアが頭に浮かんだ。G・T・リートフェルトはオランダの建築家でモンドリアンと並び芸術運動デ・ステイルを代表する人物である。彼の家具作品としてはRed and Blueチェアが有名だが、私は力強い構成のZIG−ZAGチェアの方が好きだった。

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左:G・T・リートフェルト, 中:Red and Blue, 右:ZIG−ZAG

当初は天板と支柱の構成を考えていたが、ZIG−ZAGチェアにならい天板・支柱板・床板の三要素で構成しても良いなと思い、そうすることにした。

天板の安定性とソファシート側に天板が張り出すようにするため、支柱板を台形にし天板側を大きくしてみる。900×600の平面には斜めの線が入る。さらに支柱部分とその他を分けるために1本の線を加える。天板サイズはモデルスタディの中で決めるつもりだったので、天板・床板をとりあえず同じサイズとし立体化してみよう。

続く

サイドテーブル3

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誰もが簡単に作れる(組み立てられる)というのは、色々な考え方があると思う。今回においては、明快かつ工具不要という点を重視することにした。工具不要となると必然的に部材を組み合わせるだけ簡単な組み立て方法になる。明快さは部材数を少なくすることで叶えられる。

例えば、釘やネジといった金物を使わないで組み上げる家具としては、日本伝統の指物がある。これは職人技で一点一点仕上げていくもので、その価値たるや芸術と言っても過言ではない。もちろんこれは今回のテーマとは全く合わない。

また、線材を組み上げる継手・仕口という建築技術もあるが、こちらも職人技である。昨今は技術の進歩で5軸の木工ルーターで彫り上げることもできそうだが、おそらく大量生産(野望)には向いていないだろう。

本当に簡単な工法としては、切り込みなり穴なりに部材を差し込むだけのもの。プラモデルや工作の延長線にあるような方法である。安定性や固定性は考える必要があるだろうが方針としては良いだろう。

部材について考えると、支柱部分は線材、天板は面材とそれぞれ異なる材を用いるのが、構造的には一番明快である。しかし、これは複数の製材を使う点が気に入らない。明快さを突き詰めて考えると1つの製材から作った方がいいのではと考えたわけだ。

線材か面材か。天板のことを考えると面材が素直である。面材はサブロク板の910×1820が基本モジュールであるため、これに則って具体的にデザインしていく。

続く

サイドテーブル2

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サイドテーブルの必要寸法を考える。

我が家のソファはマルニ60の3シーターで、座面高420mm,アームレスト高さ545mmとなっている。アームレストより少し高いぐらいに天板高さを設定すると使い勝手が良さそうなので、高さは550〜600mmを目安とした。

次に天板のサイズだが、コーヒーカップとお菓子皿を置くと250×150は最低でも必要である。でも、2人でコーヒータイムを過ごすとなると、もう少し大きい方が都合が良い。大きさにゆとりがあれば、簡単な書き物をしたり物を置いたりできるけれど、サイドテーブルのコンパクト性がなくなってしまうから悩みどころだ。適度なサイズ感はモデルスタディの中で検討することにした。

天板のサイズは一旦棚上げとなったので、材料から考えることにした。

自分に課した条件であるローコストなプロダクトにするためには、どこでも手に入る規格化された木質系材料が良さそうだなあと思っていた。なぜ木質系材料かと言われれば、ウッドショックとはいえ鋼材に比べれば単価は低いし、プラスチック素材は人にも環境にも優しくない。

木質の製材は大きく分けて板材か線材になるのだが、まあ色々わけで樹種を加味するととめどない。素材選びはデザインと工法に大きく影響するため、次の条件である「誰もが簡単に作れる(組み立てられる)」を同時に考えることになってくる。

続く

 

サイドテーブル製作にあたっての条件設定はリンク先にて。

https://otia.hatenablog.jp/entry/2021/11/24/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AB

otia.hatenablog.jp

 

 

 

サイドテーブル

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ソファの前にはローテーブルが置かれることが多い(画像のように)けれど、我が家では置いていない。

その理由としては、ローテーブルがあるとソファの前に寝転がったり、荷物を広げたりするような使い方ができなくて、自由さが少しなくなるからだ。とはいえ、ソファでのくつろぎ時間に飲み物を置く場所がないのは不便極まりなく、臨時のテーブルとして踏み台に端材板を乗っけて凌いでいた。

そんな不便な状況からの脱却を目指し、サイドテーブルを自作することにした。サイドテーブルはコンパクトで場所を取らないし、ドリンクとおつまみを置く程度には十分だ。自由気ままに作るのもいいけれど、せっかくなのでいくつかの条件を課してみた。

条件①:大量生産できること。今回はハンドメイドだが、機会があれば大規模に流通させたい(野望)。

条件②:組み立てが容易であること。誰でも簡単に作れることはプロダクトとして重要である。

条件③:ローコスト、つまり、流通材を使用すること。安いに越したことはない。

さて、どういったサイドテーブルにしていこうか…

続く

 

木工家という職業

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木工家はその名の通り、木を工作し作品を作る職業である。

木工作品はアクセサリーから家具、伝統工芸品、アート作品まで幅広くあるわけだが、そこに私は惹かれる。自分のモノづくりの欲求を1つに絞ることができない私にとってはピッタリだと思ったわけだ。

そこで木工家として生活することを本気で考えると、実際問題としてかなり厳しいところがある。作家として生きるのはどのジャンルでも厳しいのだが、木工家特有の点として設備投資が大変ハードルとなるようだ。

まず工房は大型機器を置けるような広さと、騒音に対しても問題にならない立地が必要であるし、工作機械も安いモノではない。そして技術的にも独学では時間を要する。現実的には職人として働きながら個人作品を作り資金を貯めつつ、軌道に乗ったら独立というところだろうか。

木工職人として働くためには、職業訓練校の木工課程で基本を学ぶことが多く、飛び込みで木工所に就職は少ないようだ。木工産業自体が下火のいま、未経験の人間を採用できる木工所が少ないだろうなと納得できる。

職業訓練校の木工科は1年間の課程で4月入校となる。多くの学校は2月ごろに選抜試験があるため、それまでに「お金」と「事業」について勉強するつもりだ。

なぜ木工か?

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建築を志した人間が、なぜ木工を新たに志すのか?

挫折と思われても仕方がないだろうが、本人としては一応筋は通っているつもりで、もし叶うなら幼少期の自分に「君はクラフトマンになりたいんだよ」と伝えたいぐらいだ。今になるまで本当にやりたいことが、デザイナー・エンジニア・クラフトマンのどれなのか気づくけなかった。自分がどうしてこういう状況になったかをまとめてみる。

私は幼少期から漠然とモノづくりを仕事にしたいなと思っていた。父や祖父が工具を扱う姿に妙な憧れを抱いていたし、当時は何に使うか分からない道具の形がカッコいいなと少なくない魅力を感じていた。

しかし、どういったものが自分の興味の対象なのか全くイメージできなかった私は、当時流行っていた「13歳のハローワーク」という本で調べてみた。ご存知の方も多いと思うが、この本はさまざまな職業を簡潔な文章と素敵な挿絵で紹介する本である。調べるうちにプロダクトデザインというものが人に近いモノづくりであることを知り、デザインというものに興味を持ち始めた。

高校生の進路を決める段になって、プロダクトデザインを学べる大学は基本的に実技で「絵」の試験があることがわかる。普通科の高校でそれなりの成績をとっていればいいだろうと考えていた私は愕然とする。「絵」の勉強なんてまともにしていない。美術の授業は楽しんでいたし、結構真面目にやっていたけど、、、。美術の先生に相談しても、この時期からでは難しいかもねと言われてしまう状態である。では、どうするかという段になって、ようやく建築が登場する。

数多のデザイナーズチェアが掲載された本であったと思う。流し見しているうちに、ふと気がついた。デザイナー以外に「建築家」という肩書きの人が結構いる。建築との出会いである。

建築家は建物を設計するが、それに留まらずに椅子、机、照明、なんなら車までデザインすることもある。当時の私は建築を学べばなんでもデザインできると考えた。建築学科の試験内容は必ずしも「絵」の実技があるわけでもなく、条件もクリアした。そして無事大学に入学し、奥深い建築の魅力にどっぷり浸かっていく。

待ちに待った建築の課題は、自分で建物を設計し、模型を作り、プレゼンテーションを行うのが常である。つまり、建物をデザインすると共にエンジニアリングし、模型などをクラフトするわけだ。興味を持っていたことが全部そこにあったわけで、どんどんのめり込んだ。しかしここでは、クラフトの比重が自分の中で大きいことに気がつかない。

建築に対する熱い思いをそのままに会社に入ることになるのだが、巨大な建築を設計する中でクラフト的な要素はほぼなくなる。複数の素材のメーカーさんに納まりを相談し、模型はアルバイトに指示し、自分は対外調整など業務に忙殺される。モノづくりが自分の手とは遠いような違和感を持ちながら働き続け、最終的には体調を崩し、休職となる。

建築設計は本当に建築好きにしかできない仕事だと思う。ハードワークだし、精神衛生上良くないことも多々ある。そう振り返るとどっぷり建築設計につかるのは、自分に合っていなかったと認めざるをえない。

休職中にここに書いたことを自問自答しながら整理し、やっとのことで自分の中でクラフトが占める大きさに気がついた。遊びではクラフトしていたが、職業としては考えていなかった。そうして、加工対象として馴染みのあった木でクラフトする人=木工家を目指すことしたのである。

ある建築士の話

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私はいま、人生の大きな岐路に直面している。

これから起こることは多くの人が経験しないことだろうし、もしかすると誰かの役に立つかもしれない、、、もちろん自分にとっては尊いものになるだろう。そんな思いから記録をすることにした。日記などは絵に描いたような三日坊主で続かなかった記憶しかなく、どのくらい続けられるかわからないけれど。

人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇である。

かのチャールズ・チャップリンの名言だが、ある建築士のそれはどうなるのだろうか。

さて、本題に入ろう。

これまでの人生を振り返ると石橋を叩くように進んできた。正解のあるゲームのように「正しい」選択を重ねることで、一般的には健全な人間のように振る舞ってきた。もちろん中身はそんなことはない、、、

建築系の大学院を卒業後、志望する設計事務所に入社し、数年のうちに一級建築士を取得した。入社前に描いた自分の計画通りに進んでいたわけだが、ある時から身体に異常が発生する。手が慢性的に痺れ、通勤時には足の運びがおぼつかなくなったのだ。

当時のことを振り返ると、もちろん精神的にも参っていたのだが、自分では全く認識できていない。仕事があんなに溜まっている、働かなくては…と思ってしまう精神異常状態だ。話には聞いていたが、ホントに自分ではわからないものだなと恐怖を覚える。もちろん医者からは過労状態と診断され、仕事をひと月ほど休むことになった。

その後、無事復帰したのだが、数ヶ月後に再発し、休職状態になってしまう。

「正しい」人生のレールを走ってきた身としては、そのレール以外の走り方を知らないわけで、ある程度元気になった後でもただ途方に暮れて時間を浪費するのみだった。ゲームや漫画に逃避することになるのだが、そんなことを許してもらえるはずもなく、見かねた妻から本気の最終通告をいただくことになる。

そこまでしてもらい、やっとのことで自分の歪んだ部分を認識することになる。そして、自分のやりたいことを見つめ直し始めた。就職で進路を決める時以来、「正しい」フィルターを外しては初めてかもしれない自己分析で、なんとも言えない恥ずかしさが付き纏った。

結果として木工の世界を志すこととなり、今現在ブログに書き込みをしている。現在進行形のため、いろいろと脱線しそうな気がするが、ことの経緯も含めて記録していこうと思っている。